共闘グループ

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「ところで今何時だ?」 と、守。 「6時過ぎだ。」 6時…ということは熟睡はしていないようだ。少なくとも3時までは起きていた記憶がある。……気がする。 「立て。行くぞ。」 華里奈は守から毛布を奪い取り、歩き出した。 「お、もうトレーニング開始か?」 「馬鹿。朝食も取らずに始めるつもりか。」 すぐにベンチから降りて華里奈に続く。どうやら訓練区を抜けるためのエレベーターへ向かっているようだ。 来た時は気付かなかったが、ここには四方に計4つのエレベーターがある。 2人はエスカレーターを登り、あのベンチから1番近いエレベーターに乗り込んだ。 ……ィィィィン…ガシャ… スイッチを押し、扉を閉める。守達を乗せたエレベーターが音を立てて動き出した。 ……ゴソゴソ… その時、華里奈は自身の履いているズボンのポケットから…折り畳まれた紙切れを取り出した。 するとそれを素早く広げ、両手に掴む。 守は華里奈の肩越しにその紙を覗き込んだ。 華里奈は、身長170センチ丁度の守とは10センチ以上の身長差がある。 紙を覗き込む上では全く問題ないのだが…。 「………!」 驚いたというか、何というべきか…よく分からない感情が守の中に渦巻いている。 それもその筈。たった今華里奈が開いた紙は…この施設の構造が記されていた。 「…何を覗き込んでいる。」 「え!?あ…いや…別に…。」 「背後から覗くならもっと上手くやれ。」 「…バレてた?」 「ああ。お前はコッソリやったつもりなのだろうが、気配の断ち方は…まあまあ…いや、それなりとも言い難い。」 「……はい…。」 冷たい言葉が氷の刃となって突き刺さる。 「それとお前の吐息がかかった。」 「ッえ!?」 「気配以前の問題だ。気色悪い。」 …………はぃ…。
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