共闘グループ

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「で、何だ?その紙。その地図みたいなヤツ。」 とりあえず尋ねてみる。 ……ここの構造が書かれた図…。 まさかとは思うが…。 「構造図。お前が提案した方向音痴対策だろう。」 ああ、やっぱり。 「案外役に立つぞ。騙されたと思って使ってみるか?」 「いや俺方向音痴じゃねぇし…。てか何故に提案した俺が騙されたと思って使わなきゃ…。」 「ん?武器庫ってこんな所にあったか?この図…間違ってるような気がするな…。」 人の言葉を遮るな。 そして図は間違ってない。絶対確実100%お前の勘違いだ。 ……ィィィィン…ガシャ そんなこんなでエレベーターは到着し、扉が開いた。 「えと…食堂はこっちで良い………のか?」 華里奈は自信なさ気に構造図を見ている。 自分は方向音痴だと自信満々に威張っていた奴が、何故構造図を両手に不安がっているのだろうか。 「食堂はこの廊下の突き当たりを右に曲がった場所にあるじゃねぇか…。」 「それは図を見れば分かるが…。」 「図に書いてあるならそれで合ってるんだよ!」 「あ…お、おい!」 何となくじれったくなったのか、空腹からか、守は華里奈の腕を掴んで足早に歩き出した。 一気に突き当たりまで歩き、右折する。 「…!」 すると突然、守の足がピタリと停止した。 ……あれ? ………おかしい。 食堂どころか、そこには更に延々と続く廊下しか見当たらない。 「…無いな。やはり間違っているようだ。これは。」 「…どうなってんだ?」 引ったくるように華里奈から構造図を受け取り、隈なく探る。 そして、 「………なぁ、この施設って…最近構造変えたりしたか?」 「……何故?」 「良いから。」 「…確か…2001年に改修工事をしていた。その時に構造をがらりと変えたようだ。」 ………やっぱりな…。 図の裏面の隅に書いてあるぞ。 1998年版……と。
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