共闘グループ

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去っていく本田に礼を言い食堂に入る。 幾つも並べられた円形のテーブル。それを囲うように職員や戦闘員、訓練生が座ってり、食事を楽しんでいた。 「なんか…普通の高校にありそうな雰囲気だな。」 と、守は正直な感想を述べた。 「高校もこんな感じなのか。」 「…まあな。」 つい先日まで普通に通っていた高校での記憶が酷く懐かしく感じられた。 「そうか。私は中卒。高校の事は全くと言っていい程知らない。」 「へ?中卒?」 「ここ…東京のな。義務教育の真っ最中の時からここに住み、学校をサボって任務に赴く事も多々あった。」 あのような、弾丸が飛び交う危険な任務を中学生の頃には行っていたとは…。 「来い。食べに来たんだろう?朝食。」 華里奈は守を連れ、厨房の窓口へ向かった。 「あ、はいはいご注文はー?」 その時、守と華里奈に気付いた厨房のおばさんが歩み寄って来た。 「焼き魚定食。納豆付き。」 「はいよ。おや、見ない顔だね。新人さんかい?」 厨房のおばさんは守を見て言った。 「ええ。まあ。」 「これまた若いのが入ったもんさね。早く注文しなよ。どれが良いんだい?」 「あ、えっと…。」 先程からずっと視線を壁に貼られているメニューに釘付けにしているのだが中々決まらない。 優柔不断とはこの事か…。 だがあまり待たせるのも悪い。この際食べられれば何でも良い! 「じ、じゃあ豚骨ラーメンで…。」 朝からラーメンというのは少々おかしい……それに何と無く恥ずかしい感じがするが、まあ良いだろう。 ……いや、待て。 以前に母から聞いた話だが俺の父は学生時代、1人暮らしの時も、当時の母と同棲してる時も、3食全てをカップラーメンで過ごしていたらしい! それに比べて俺は何だ!!豚骨ラーメンを朝に1杯食べるだけじゃないか!!何を恥じる事がある!!!朝からラーメン食って何が悪い!!!! 「おい、椎羅木。ラーメンはやめておけ。」 と、華里奈。 早速来たな!『朝からラーメン』、略して『朝ラー』を否定する輩が!!貴様が何と言おうと俺は… 「ラーメンは昼・夜限定メニューだ。他のにしろ。」 ……………は?
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