共闘グループ

8/15
前へ
/568ページ
次へ
「よっ、守君に華里奈!おはようさん!」 その時、お盆に定食を乗せて運んで来た古賀が現れた。 「あ、古賀さん…。」 「―チッ!」 華里奈、舌打ちやめろ。 「相変わらず犬猿の仲ですな。古賀殿と織田は。」 その時、背後からの聞き慣れない声に振り返る。 そこには、長身かつ細身の中年の男が立っていた。 「…坪内か。」 と、華里奈。 「おはようございます。」 坪内と呼ばれたその男は丁寧にお辞儀をした。なんと礼儀の正しい人だろう。 「…君は初対面だったな、椎羅木 守。私は坪内 尖(つぼうち せん)だ。」 「え…何で俺の名前…。」 初対面の中年男にいきなり名前を呼ばれるのは初めてだ。 「古賀殿から話は聞いた。私達の新たな同志として手厚く迎えたいところだが…生憎時間がない。」 残念そうに腕を組む坪内。 「…任務?」 「まあそんな所だね。椎羅木姉弟の口封じ部隊がこの近辺に現れたらしい。本部を嗅ぎ付けられる前に抹殺、もしくは捕縛せねばならんだろう。」 自分達を狙った奴らがまだ…。一体どこまで…。 「守君。君が気にする事じゃないさ。これは別に想定外の事態という訳じゃない。」 と、古賀が口を開いた。 「え…。」 表情に出ていたようだ。心の内が見透かされてしまった。 「お前はお前自身の事だけを気にしていれば良い。奴らは俺らに任せとけって!」 「あぁ…分かったよ…。」
/568ページ

最初のコメントを投稿しよう!

29147人が本棚に入れています
本棚に追加