共闘グループ

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守と華里奈は食堂を出た瞬間、ある不安要素に気付き立ち往生していた。 訓練区行きのエレベーターの所在が全くもって分からない。 僅かな可能性に賭け、脳内データベースにアクセス。この施設を歩き回った際の断片的な記憶を複数検索するが、無駄に終わった。 「どうすんだ?」 「勘で行く。」 1日中ウォーキングするハメになるからやめてください。マジで。 「じゃあ…食堂から出てくる訓練生を捕まえて着いていくしか方法はあるまい。」 地味ながらも効果的な華里奈の案。 作戦実行。食堂のガラス扉の前でひたすら待ち続ける。 あまりに暇なので、しりとりをしながら(華里奈は乗り気ではなかった。)待つ事15分。 カチャ… 待ちに待った1人目だ。 「あ、ちょっとすみま…。」 守は直ぐさま呼び止めに掛かるが、その人物を確認した途端…言葉が出なかった。 その人物とは…。 峰崎 明彦。 「……はぁぁぁぁぁ…。」 盛大な溜息を吐く守。 会いたくない奴に会ってしまった。こいつとは仲良くなれそうにないんだよな。 古賀に遭遇する度に舌打ちをする華里奈の気持ちが分かる気がする。 「な、何だその溜息は!!僕がそんなに気に入らないか!!」 「気に入らない。」 「どこが!?」 「全部。」 明彦が不憫に見えて来た。(華里奈視点) 「と、とにかく何の用だルーキー!…まさか、訓練区へ行くためのエレベーターが何処だか分からないというんじゃないだろうな?」 「…ビンゴ。」 「…。」 流石に明彦自身、適当に言った事が当たるとは思いもしなかったようだ。 そして、 「…くくく……はーっはっは!その程度の事が分からないとは愚の骨頂!方向音痴も良いところだ!顔洗って出直してこい!!」 「悪かったな。方向音痴で。」 「はっ!?華里奈さん!?」 今頃華里奈の存在に気付いたのか。鈍い奴め。 「それは私が方向音痴だたと知っての物言いか?峰崎。」 「す…すみません…そんなつもりは………あは…ははは…。」 なんだか情けないぞお前。
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