共闘グループ

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「まあ、とりあえず道案内頼むよ。明彦。」 「僕に指図しないでもらおうか。ルーキー風情の指図を受けるのは正直虫酸が走るんだ。」 「そんな事言うなって!これから一緒に戦ってく仲なんだろ?」 そう言いながら明彦の肩を軽く叩く。 「ッ…!」 バシィッ!! だが明彦は守の手を思い切り叩き、近づけまいとした。まるで自身に接近した羽虫を追い払うように。 「ぃッ…てぇ…。何…」 何すんだよ。そう言おうとした、刹那。 「気安く触るな!!僕は貴様のような馴れ馴れしい奴が大嫌いなんだよ!!」 罵声が廊下を響かせる。 「な…馴れ馴れしいって…。」 自分は新人として少しでも早く馴染もうと努力しているだけなのだが…。 「いいか?僕は年上だから敬語を使えとか、そんな事を言ってるんじゃない!貴様のその態度が気に入らないんだよ!!まるで親しい友人のように接すれば初対面でも丸く納まるとでも言いたげな態度が!!」 コイツがどんな性格なのかは嫌でも分かったが、ここまで好き勝手言われて黙っていられるほど守の気は長くない。 自然と拳に力が入る。 「峰崎、その辺でやめろ。」 守の心境を察したのか華里奈が間に割って入った。 「……くッ…!」 明彦は守を睨み付け、振り返り歩き出した。 どういうわけか華里奈には逆らえないようだ。潔くエレベーターへの道案内を開始する。 「ったく…何なんだよ…。」 「見ての通りあいつは気難しくてな。特に知り合って間もない奴はとことん気に入らないらしい。直にお前にも心を許す時が来るだろう。」 ……心を許してもらえる時が来るとは到底思えねぇんだけど…。
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