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「ちょっと待った!グループって…何?」
話の隙を見つけ、守は即座に割り込みを入れた。
「あれ?華里奈ちゃんから聞いてないの?」
キョトンとした表情で華里奈の顔を見る夏美。
「…あ。」
華里奈は突如何かを思い出したようだ。どうやら説明し忘れていたらしい。顔に書いてあるぞ。
夏美は「しょうがないなぁ…。」と小さく呟くと早速説明を始めた。
「あたし達訓練生はね4人から5人のグループに別れて個別で訓練してるの。各個に訓練メニューを組み立てなきゃいけないから結構大変なんだよ?」
「ふぅん…。」
こういう大事な話はもっと早くしてもらいたいものだ。
「ちなみに訓練生が任務に出る事は出来ないからー。華里奈は別だけどねー。」
今度は翔が。
「へ?華里奈は別って?」
「華里奈は訓練生の中でもトップクラスだから特別に戦闘員の任務に就かせてもらってれんだよー。羨ましいよねー。」
成る程。だから俺を保護する時に居合わせたのか。
若干、華里奈の頬が赤らんでいる気がする。
……照れてる?
「と、とにかく、お前達も椎羅木の面倒を見てやってくれ。音を上げたら容赦なくシバいて構わない。」
華里奈は明らかに照れを隠すように言った。
「はいよー。」
「うん!任せて!」
翔と夏美が激しく同意。
…ちょっと待て…お手柔らかに…。
…ィィィン…ガシャ…
その時エレベーターが到着。扉が開いた。
「じゃあ行こっか?守君!」
守の腕を掴み、歩き出す夏美。
「シバかれないようにせいぜい気をつけてー。」
背後から怪しさ100%な笑みを零している翔。
……エレベーターが地獄の扉に見えたのは気のせいだろうか。
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