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「心ちゃん♪次はアレがやりたい♪」
「わかったから引っ張んなって!ちゃんと着いてくから!」
俺がそう言うのも聞かず、雨音は『射的』の出店まで俺を引っ張っていった。
「沢山商品が並んでるねー♪」
雨音の言う通り、雛壇型の棚の上にはお菓子やぬいぐるみを初めとした商品がズラリと並べられている。
商品ではなくて何やら文字が書かれた厚紙で作られたターゲットのような物も置いてあるが、おそらく棚には乗せる事の出来ない商品の変わりだろう。
「やってみるかいお嬢ちゃん?」
「やるやる~♪」
雨音は元気にそう言って、オッサンから銃と弾変わりのコルクを5つ受け取った。
「よーし!あの黒いワンちゃんのぬいぐるみ狙うぞー♪」
雨音はそう言って黒い犬のぬいぐるみに銃を向けた。
あのぬいぐるみ、どことなくナナに似てるなぁ……。
パン!
パン!
パン!
「う~……当たんないよぉ……」
早くも弾を3つも消費した雨音は、涙目で俺にそう言ってきた。
「ったく、貸してみろ」
「取れるの心ちゃん?」
「ゲーセンの銃型リモコン使うシューティングゲームで鍛えた俺の腕を舐めるなよ雨音」
俺は自慢気にそう言って、銃口にコルクを詰めた。
「心ちゃん、『げーせん』って何?」
「……まぁ、後で教えてやるよ」
俺はそう言って軽く溜め息をついた後で、犬のぬいぐるみに銃口を向けた。
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