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パン!
銃声と共に放たれたコルクは、見事に犬のぬいぐるみを撃ち落とした。
「すごーい心ちゃん♪」
「やるねぇ兄ちゃん、ほらよ」
「どうも」
そう言って俺は、オッサンからぬいぐるみを受け取った。
「ほら雨音」
「ありがとう心ちゃん♪」
そう言って雨音は犬のぬいぐるみを受け取ると、ギュッと抱き締めた。
こんだけ喜ばれたら、取ったかいがあるってもんだな。
俺がそう思って満足していると、
「あーもう!オジサンもう1回!」
明らかにイライラしている声でそう言う女性客の声がしてきた。
何か何処かで聞いたことのあるような声だな……。
「あー♪なっちゃんだ♪」
「やっぱりか……」
予想が的中してしまった俺は、そう言って溜め息をついた。
「雨音に心一、アンタ達も来てたのね」
「何を狙ってんだよ夏?」
「うるさいわね!何だっていいでしょ!」
夏はそう言って俺の質問を流した。
だが、夏はどうも長い時間粘っているようで、明らかに1つの厚紙で作られたターゲット(棚に並べられない商品の変わり)の後ろに夏が撃ったと思われるコルクが散乱していた。
その厚紙で作られたターゲットには、マジックで『キ〇タク等身大抱き枕』と書かれていた。
「夏……寂しいなぁオイ」
「うるさいわね!余計なお世話よ!!」
夏は顔を赤らめながらそう言うと、厚紙で作られたターゲットに向けて銃を構えた。
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