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銃を構えて数秒後、夏はあっという間に弾を全て使い切ってしまった。
「何で当たんないのよもー!!」
「いい大人が駄々こねてんじゃねーよ。ったく」
そう言って俺は持っていた銃に残っていた最後のコルクを詰め、狙いを定めた。
パン!
銃口から放たれたコルクは、見事に厚紙で作られたターゲットを撃ち落とした。
「やるねぇ兄ちゃん!ほら、商品のキ〇タクの等身大抱き枕だ」
「あぁ、コイツに上げてくれ」
そう言って俺は親指で夏を指差した。
「よかったな姉ちゃん!ほらよ!」
「えっ?あっ、どうも……」
少し戸惑いながらも、夏はそう言って抱き枕を受け取った。
「ちょっ、心一!誰が取ってくれなんて言ったのよ!」
「素直じゃねぇなぁ。やるってんだから貰っときゃいいんだよ」
頭をポリポリと掻きながら、俺は夏にそう言った。
ったく、めんどくせー女だな。
「よかったねなっちゃん♪」
「うっ……うん。あっ、ありがとね心一」
「んっ?……おぅ」
夏の口から発せられた意外な言葉に、俺は少し驚きながらもそう答えた。
夏からお礼の言葉か帰ってくるとは思わなかったな……。
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