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「おぉ、エロジジイじゃねーか。ちゃんと村長っぽい事もしてんだな」
俺はそう呟いて、村長の言葉に耳を傾けた。
【長年続いている飛鳥祭も、今年でなんと53回目じゃ。優勝商品は勿論この『神愛花』のキーホルダーじゃ】
そう言って村長は、10円玉ぐらいの大きさの綺麗な薄紫色の押し花を、前後から透明のプレートで挟んだような形のキーホルダーを手前に掲げて見せた。
どうやらアレが噂の『神愛花』って花のキーホルダーらしい。
【では競技説明に移りますぞ。今回のイベント『自転車レース』は、この神愛樹の位置から出発して、2km先の折り返し地点で折り返し、一番早く神愛樹の所に戻ってきた人が優勝じゃ】
村長は大きな紙に描いた自作と思われる地図を広げながら、レースのコースを説明した。
合計で4kmか……結構あるじゃねーか。
【ちなみに、簡単にはゴールできないようトラップも仕掛けてあるので気をつけて!ではスタートじゃ!】
……んっ?なんかサラッと気になる事言わなかったか?トラップとか?
てかスタート?………しまったぁぁぁ!!!
俺が我に帰った時には時既に遅く、俺以外の参加者は全員スタートしていた。
「コンチクショウ!行くぞ婆ちゃん!」
「ヒヤッヒヤッヒヤッ!楽しくなりそうじゃわい!」
そうして俺は出遅れながらも、ババチャリを漕ぎ出した。
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