サヨナラなっちゃん

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「ほら、買ってきたぞ」 数時間掛けて買い出しを終えて帰ってきた俺の目にいきなり入ってきたのは、綺麗に飾り付けられた教室と豪華な刺身の盛り合わせだった。 「どうじゃ心一!俺が釣ってきてさばいたんじゃぞ!」 官九郎が自慢気にそう言って、嬉しそうに笑った。 「確かにスゲーなこりゃあ。てか雨音は?」 俺はそう言って辺りを見渡したが、雨音の姿は何処にもない。 「雨音はなっちゃんを迎えに行ったんじゃよ。もうじき帰ってくると思うがの」 官九郎がそう言ったまさにその時、 ガラガラガラッ 見事なタイミングで雨音が夏を連れて教室に入ってきた。 「ちょっ、雨音!何なのよこれは!?」 「なっちゃんのお別れ会だよ♪最後なんだから皆で盛り上がろうよ♪ねっ?」 雨音にそう言われた夏は困ったような顔をして、俺と官九郎の方を見てきた。 「ほら、コレなっちゃんの為に釣ったんじゃぞ!」 そう言って官九郎は夏に刺身の盛り合わせを見せた。 「……まぁ、なんだ。最後くらい楽しくやろうぜ」 俺が頭をポリポリ掻いて少し照れながらそう言うと、夏は諦めたように深い溜め息をついた。 そして、 「……わかったわよ。皆で楽しみましょ!」 夏は笑顔でそう言って、雨音と一緒に俺と官九郎の元に歩み寄ってきた。
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