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お別れ会開始から1時間後。
「心一きゅ~ん♪お酒が足りないよ~ん♪」
夏は完全に酔っ払っていた。
ちなみに夏が飲んでいる酒は、夏自身がお別れ会の途中で家から持参してきた物だ。
「飲み過ぎだぞ夏。足りないからって俺にどうしろってんだよ?」
「私の家にあるからぜ~んぶ持ってきてぇ~♪お・ね・が・い♪」
そう言って夏は俺に投げキッスをしてきた。
おいおい、キャラ変わりすぎだろ……。
結局俺は夏から鍵を受け取り、酔っ払いを雨音と官九郎に任せて酒を取りにババチャリで夏の家に向かった。
「何処に行くんじゃ心一?」
「先公に酒を取りに行かされたんだよ婆ちゃん。ったく、はしゃぎ過ぎだろあの駄目教師は」
俺はそう言って愚痴を溢しながら、ババチャリのペダルを漕ぎ続けた。
夏の家は学校から結構近くにあるので、すぐに到着した。
ちなみに夏の家は、1人で住むにはどう考えても広すぎる古い平屋建ての貸家だ。
「んじゃあさっさと酒取ってくるから」
俺は婆ちゃんにそう言ってババチャリを降り、鍵を開けて夏の家へと足を踏み入れた。
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