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そのまま会話のないまま俺は学校に到着して、皆のいる教室まで思いっきり走っていった。
ガラガラガラッ
「あら心一きゅ~ん♪私のお酒はぁ~?」
夏は相変わらず酔っ払ってやがる。人の気も知らねーで……。
「……おい夏、ちょっと来い」
「何よも~ぅ!私のお酒はぁ~?」
そう言って駄々をこねる夏を、俺は無理矢理立ち上がらせた。
「……心ちゃん?」
「心配すんな雨音。ちょっと2人で話したい事があるだけだから」
雨音が心配そうな顔をしていたので、俺は雨音になるべく優しい顔でそう言って、酔っ払った夏を連れて隣の教室へと移動した。
「ちょっとぉ~、こんな所に連れ込んで何する気なのよエッチィ~♪」
「いつまでも酔っ払ってんじゃねぇよ!」
そう言って俺は、俺宛の別れの手紙を夏に投げつけた。
それを見た夏は、目を大きく見開いて少し動揺した素振りを見せた。
「……何勝手に見てんのよ!最低ねアンタ!」
「うるせぇ!手紙放置してある家に俺をパシらせたお前もわりぃだろうが!」
俺がそう言い返すと、夏は押し黙ってしまった。
手紙を見られて恥ずかしいのか、それとも酒のせいなのかはわからないが、夏の顔は真っ赤になっていた。
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