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すぐに坂道に突入したババチャリは、どんどんスピードが上がっていく。
よし!いい感じだ!
「今じゃ心一!願うんじゃよ!」
「わかった!」
そう言って俺は目を閉じ、意識を集中して願い始めた。
その時、
ガツンッ
目を閉ていたせいて坂道の途中の大きな石に気づかなかった俺は思いっきり石に乗り上げてしまい、バランスを崩した。
そして、派手に転んで坂道を転げ落ちちまった。
「いってぇ………あっ、大丈夫か婆ちゃん!?」
俺は真横に倒れていたババチャリのハンドルを掴んで、婆ちゃんにそう言った。
「アタシは実体がないからなんともありゃせん!それよりも心一!右足を見てみぃ!」
婆ちゃんにそう言われて俺が右足を見ると、右足の膝から下をかなり豪快に擦りむいちまってた。
「見た目より痛くねぇから心配ねぇよ婆ちゃん。さぁ、坂道の上に戻ってもう1回……ってぇ!」
突然左足の足首に激痛を感じた俺は、思わずそう声を上げてしゃがみこんだ。
「どんしたんじゃ心一!?」
「何か左足首捻っちまったみたいだ」
そう言って俺は痛めた足首を擦った。
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