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しかし俺は、ここでおかしな事に気づいた。
「ちょい待てよ……なんでお前の手を握ったら、俺にもあの光が見えるんだ?」
「ほぇ?う~ん……私にもわかんない♪昔からこうなんだ♪」
そう言って海野は、俺から手を離した。
手を離した瞬間、俺の目から7色の光達が消えてしまった。
正直、少し残念だった。
「さぁ~てと!もう日が沈みそうだし、そろそろ帰ろうか?」
「んっ?あぁ、そうだな」
俺は神愛樹を見上げながらそう答えた。
「そんなに神愛樹の神様が気に入ったの?じゃあまた今度見に来ようね♪」
「だっ、誰が行くかっ!!」
俺は海野にそう言って、先に帰り道を歩き出した。
「それじゃあ私、こっちだから♪」
森を抜けた所で、海野は俺が帰る方向と反対側を指差してそう言った。
「んっ?あぁ、じゃあな。今日はそれなりに楽しかったよ」
「じゃあまたね♪心ちゃん♪」
海野はそう言って、木の枝を振り回しながら走って帰って行った。
『またね』って、家の場所も電話番号も知らねぇのに、会える訳ねぇじゃん。
てか、心ちゃんって………。
「変な奴………」
俺はそう呟いて、婆ちゃん家に向かって歩き出した。
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