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「うっ………ん?」
目を開けると、俺は何故かベッドの上に寝ていた。
「気づいたみたいね心一」
「全く、心配かけさせやがって」
寝ている俺の横には、何故か親父とお袋が立っていた。
「……何でいるんだよ?つーかここ何処だよ?」
「ここは病院よ。雨音ちゃんがアンタをここまで運んでくれて、電話で私達に知らせてくれたのよ」
お袋の話を聞く限りでは、どうやら俺はババチャリを漕ぎながら願ってた途中で痛みと疲労で気を失い、雨音に病院まで運んでもらったらしい。
情けねぇなぁ俺……。
……つーか、結局俺の願いは駄目だったのか?
「なぁ親父、雨音は?」
「雨音ちゃんなら外でナナを見てくれてるよ。呼んできてやるよ」
そう言って親父はベッドのカーテンを開けて出ていった。
すると、それと入れ違いになるように何故か白衣を着た村長が入ってきた。
「気づいたようじゃのぅ」
「……何やってんだよ村長、ボケたのか?」
村長の意味不明な行動に、俺は思わずそう言って溜め息をついた。
その時、
「馬鹿心一!謝りなさい!」
俺は何故か怒ったお袋に頭を殴られた。
「ってーな!何すんだよ!」
「この人は村長じゃなくて、村長の双子の弟でこの村唯一のお医者さんの松尾寛七(マツオカンシチ)さんよ!」
「……えっ?」
お袋の言葉に、俺は思わず言葉を失った。
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