going to ド田舎

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家について食卓に入った俺は、目の前の光景に声を失った。 何故なら、テーブルの上に豪華な海の幸や山の幸がズラリと並べられていたからだ。 「何だよこの料理は!?こんなの買う余裕ねぇはずだろ!?」 「買う訳ないでしょ心一。引っ越し祝いだって村の方々に頂いたのよ」 「えっ?あっ、そうなの……」 とりあえず安心した俺は、椅子に座ってその料理を食べた。 《……うまい》 うまかった。 今までスーパーで買って食ってた物とは、全然違ってた。 田舎も食物だけは悪くねぇかもな。 晩飯を食い終えた俺は、俺の部屋にする予定の部屋の窓から星を眺めていた。 《星ってこんなにあったんだな……》 俺はそう思いながら星空を眺めていた。 東京じゃ気づかなかった。 テレビとかでは見た事があったけど、実際見るのとは訳が違った。 しばらく星空を見ていると、俺は夕方の出来事を思い出した。 海野雨音という変な女。 神愛樹。 そして『神様』。 俺は改めて婆ちゃんの言葉を思い出していた。 「婆ちゃんも神愛樹の神様達みたいに、何かの神様になったのかな………」 俺がそう呟いた時、ふと窓から下を見たら、何やら小さな倉庫のような物が目に入ってきた。 《何だろアレ?婆ちゃん家の敷地内だよな?もしかしたらとんでもないお宝とかが眠ってたりしてな………》 そんなくだらねー事を考えながら、俺は倉庫を見ていた。 すると、 「………えっ!?」 俺は一瞬目を疑った。 そしてゴシゴシと目を擦り、もう一度倉庫を見た。 「……アレ?今倉庫の扉が動いたような………?」 そう。俺には確かに倉庫の扉が一瞬動いたように見えた。 《ひょっとして、中にタヌキでも住みついてんのかな?》 そう思ったら、俺はますますその倉庫が気になり出した。
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