夏の終わりの海

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時期はもう8月の終わり頃。 俺が飛鳥村に来て、もうすぐ2ヵ月が経とうとしている。 時の流れというのは、早いもんだな。 だが、8月の終わり頃といってもまだまだ暑い。 そんな暑い中、俺は今日も怪我が完治していない足でババチャリを漕ぎ、ナナを連れて学校へと向かっていた。 「足の方はどうじゃ心一?」 婆ちゃんがいつものようにベルの上に正座して冷たい麦茶をすすりながら、俺にそう尋ねてきた。 「もう松葉杖なしでも余裕で歩けるし大分いいよ。お陰様でな」 俺は婆ちゃんにそういいながら、怪我をしている自分の左足を見た。 ちなみに、もうギプスも取れて今はサポーターを着けている。 こんなに治りが早いのは、婆ちゃんの提案でナナに引っ張ってもらいながら『怪我を早く治したい』という願いを叶えてもらったお陰だ。 「セミの鳴き声が少なくなってきたのぅ」 「まぁ、もう夏も終わるからな。ようやく過ごしやすくなりそうだ」 そう言って俺は雲一つない空を見上げ、秋に早く来てほしいと思った。
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