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そして、30分後。
俺達は海に到着した。
「わぁー♪海だぁー♪」
雨音は楽しそうにそう言って、海に向かって両手を広げて目を閉じ、潮の香りを感じていた。
「さぁ、それじゃあ着替えるわよ」
「はーい♪」
雨音は夏にそう返事をするなり、この場で自分の服に手を掛けた。
まさか……ここで着替える気か!?
「まっ!待て雨音!!」
俺は咄嗟にそう叫び、雨音を止めた。
「なーに?」
「『なーに?』じゃないわよ雨音。アンタはちょっとは恥じらいを持ちなさい。さぁ、向こうの公衆便所で着替えるわよ」
夏はそう言うと、雨音を連れて公衆便所へと向かっていった。
正直、ちょっと残念………なんて事は微塵も思ってねぇぞ。
「ったく、雨音は恥じらいとかねーのか?なぁ官九郎?」
「んっ?何の話じゃ心一?」
そう返事をした官九郎は、既にルアー選びに夢中になっていた。
どうやら、さっきの一部始終も見ていなかったようだ。
つーか、泳ぐ気0じゃねーかよ……。
俺が呆れてそう思った時には、官九郎は既に釣竿片手に海に向かって走り出していた。
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