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「ふぅ。元気ねぇ雨音は」
俺がナナと共に海に駆けていく雨音を見送っていると、突如横からそう声が聞こえてきた。
俺が驚いて即座に横を見ると、そこにはパラソルを浜辺に刺して寝そべり、サングラスを掛けて日光浴を楽しんでいる青いビキニ姿の夏の姿があった。
つーかいつの間に………てか田舎の海でハワイ気分かよ。
「心一~、オイル塗って~」
「なっ!?そっ、そんな事できる訳ねーだろ!」
「何よ根性なし~」
夏はそう言うと寝返りをうって仰向けになり、眩しそうに日の光を浴びていた。
なんか、だんだん夏の空間だけハワイに見えてきたぜ……。
さて、海に来てから1時間程が経過した。
雨音は相変わらずナナと泳いでて、官九郎は釣り、夏は1人ハワイを満喫中だ。
さすがに暇な俺は、波打ち際で砂の城を作っていた。
最初は自分でやっててガキみたいだと思ってたが、これが中々面白い。
そして俺は、遂におとぎ話に出てくるような立派な砂の城を完成させたのだ。
「……よしっ!完成だ!」
そう言って俺は1人で拳を突き上げた。
ケータイ持ってたら、絶対写メ撮ってるぜ。
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