夏の終わりの海

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「よーし、次は城を守る城壁を作るか」 そう言って俺は城壁作りに取りかかった。 その時、 ズァン! 何故か突然頭上から降ってきた立派なカツオにより、俺の砂の城は一気に壊滅した。 「なはぁー!?何だよこの魚は!?!?」 「スマンのぅ心一!俺の獲物じゃ!」 そう言って官九郎は俺の元に近づいてきて、カツオを拾い上げた。 「今夜はご馳走じゃの!」 「知るかコンチクショウ!!」 そう言って俺は官九郎からカツオを奪い、海に向かってぶん投げた。 「ばっ、晩飯がぁー!!」 官九郎はそう叫び、カツオが飛んでいった方に手を伸ばした格好のまま硬直した。 フンッ、ざまぁ見ろだ。 「おーい!心ちゃーん♪」 「んっ?」 突如名前を呼ばれた俺が海を見ると、そこにはナナと並んで『犬かき』で泳いでいる雨音の姿があった。 ……何故犬かき? 「おい雨音!ちゃんと泳げよ!」 「だって私、この泳ぎ方しか知らないも~ん!」 「はぁ?授業とかで習わなかったのかよ?」 「習ってないよ~!」 雨音のその返答に、俺は小さく溜め息をついた。
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