愛しい人

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俺はパジャマとして使ってるTシャツに短パンの姿のまま家を出て、一目散にババチャリに股がった。 「ふあぁ~……。何じゃ心一、こんな時間に?」 「雨音が倒れたんだ!頼む婆ちゃん!俺を病院まで連れてってくれ!」 「それは一大事じゃ!早く漕ぐんじゃ心一!」 「あぁ!」 そう言って俺はババチャリを急いで漕ぎ始めた。 頼む!早く病院へ!雨音の所へ! お願いだ神様! 「よしっ!思いの強いいい願いじゃ!いけるぞぃ心一!」 「頼む婆ちゃん!」 そう頼んだ瞬間、俺はババチャリごと眩しい光に包まれた………。 そして光が消えると、すぐ目の前には病院があった。 「サンキュー婆ちゃん!」 俺はそう言いながらババチャリから降り、病院の入口目指して走り出した。 バンッ! 勢いよく扉を開くと、そこには村長の弟さんである先生と、先に到着していた夏と官九郎の姿があった。 「あっ!雨音は!?」 「雨音ならあのカーテンの中じゃ」 そう言って官九郎は、患者用のベッドを囲んでいるカーテンを指差した。 「雨音!!」 「待ちなさい心一!今はまだ入っちゃ…」 俺は夏の言葉を無視してカーテンを掴んだ。 頼む!無事でいてくれ雨音! そう願いを込めて、俺は勢いよくカーテンを開いた。
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