愛しい人

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俺は夏、官九郎、村長の弟さんの勘七さんと共にカーテンを開けて中に入った。 中では新しいパジャマに着替えた雨音がベッドの上に座っていた。 「あっ、雨音!そのっ、さっ、さっきはゴメン!」 「えっ?全然気にしてないよー♪」 俺が謝ると、雨音は笑顔でそう言ってきた。 やっぱり雨音には、羞恥心ってのが欠けてるみてぇだ。 「で、調子はどうなの雨音?」 「絶好調だよ♪でも先生が念のために1日入院しなさいだって」 そう言って雨音は、少しふてくされたような顔をした。 「まぁ、何事もなくてよかったの!それじゃあそろそろ帰るかの!」 「そうね。明日も授業あるし。じゃあね雨音」 そう言って夏と官九郎は雨音に手を振り、雨音のお袋さんと勘七さんに軽く頭を下げて病院から出ていった。 「……んじゃあ、俺も帰るかな」 そう言って俺が歩き出したその時、 「待って心ちゃん!」 そう雨音に呼び止められた。 「何だ?」 「……ちょっと話したい事があるの。お母さん、先生、ちょっと心ちゃんと2人きりにしてもらっていい?」 雨音がそう言うとお袋さんと勘七さんは黙って頷き、カーテンの中から出ていった。
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