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「ちっ、ちょっと待てよ!雨音のお袋はちゃんと生きてるじゃねーかよ!」
「今のお母さんは育ての親なの。私を産んだお母さんは、難産で死んじゃったの。だから写真でしか見た事なかったの……」
そうだったのか……。凄く仲がよさそうに見えたから、ずっと血の繋がった親子なんだと思ってた……。
「でも私は幸せだよ?だって優しいお母さんが2人もいるんだもん。私凄い贅沢だよ♪」
「……そうだな!」
俺はそう言って、ニコリと笑って見せた。
「それじゃあ、話に戻るね?」
「あぁ」
───私を助けてくれたお母さんの守護霊がね。私にこう言ったの。
『ゴメンね雨音。命を助けるのは神様の中では禁止行為。私はもうアナタの側にはいられなくなってしまったわ。それに私の神の力では、今死んでしまうはずだったアナタの命を後10年延ばすのが限界だった。だから10年後の今日、8月31日にアナタは死んでしまうの。だから後10年、沢山笑って、沢山泣いて、沢山怒って、そしてなにより後悔のないように生きて。ゴメンね。お母さんの力が弱くて、後たったの10年しか……生きさせて……あげられなくて…………』
そこまで言った所で、お母さんは光の粉みたいになって空に消えていったの。
その後私は意識を失って、次に気がつくとこの病院で寝てた。
その日からなの。私の目に神様が見えるようになったのは………。
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