18310人が本棚に入れています
本棚に追加
すると、
ストンッ
ザリガニが釣糸をハサミで切って、そのまま落ちてきたザリガニがなんと俺の服の襟元から中に入り込んだ。
「……うぎゃあああぁぁぁぁぁ!!!」
俺はこの世の終わりのような奇声を上げ、ザリガニを外へ出す為に慌てて制服のシャツのボタンを外し出した。
その時、
「うわぁっ!」
ドボォン!
ザリガニを取り出すのに必死な俺は足を滑らせて、思いっきり田んぼの中に落ちてしまった。
ザリガニは出たものの、俺はずぶ濡れの泥まみれ。
「………官九郎ぉぉぉぉぉ!!!」
俺は田んぼから勢いよく飛び出して、官九郎に襲いかかった。
「すっ、スマンのぅ心一!」
「スマンじゃ済まさねぇぞコラァー!!」
俺はそう怒鳴り、逃げる官九郎を追い回した。
その様子を見て、夏は呆れたように溜め息をついている。
そして、雨音は楽しそうに腹を抱えて笑っていた。
官九郎を追い回しながらその様子をチラリと見た俺は、密かに微笑みながら官九郎を追い回し続けた。
最初のコメントを投稿しよう!