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病院。
俺は今、診察室の外のソファーで1人座っている。
雨音のお袋と夏は雨音にリクエストされた飯を作る為に帰ってて、官九郎は雨音のリクエストにあった『刺身』の為に釣りに行っている。
そして、雨音は今診察室の中と言う訳だ。
「診察なげぇなぁ………」
そう呟きながら、俺は診察室の扉を見つけた。
こうして静かにしていると、嫌な事ばかりが頭をよぎる。
……このまま神様の病気が進行すれば、雨音は俺の事を忘れちまう。
雨音は体が動かなくなっちまう。
雨音は五感を失っちまう。
雨音は感情を忘れちまう。
……雨音は、死んじまう。
これ以上1人でいると、感情が爆発しそうだ。
誰でもいいから、この場に一緒にいてほしい。
会話をして、少しでも落ち着きたい。
そう思った時ふと俺の目に止まったのは、待合室の古い公衆電話だった。
プルルルル………
【……もしもし?】
一定時間呼び出し音が流れた後、俺が電話をかけた相手が電話に出た。
俺がわざわざ電話番号を覚えてる奴なんて、1人しかいない。
「……久しぶりだな祥」
そう。俺が電話をかけた相手は、東京の親友の祥だ。
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