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「何をしとるかバカモン!!雨音ちゃんの側に居てやれと言ったじゃろうが!!」
「わかってるよ!!わかってるけど……だけど………まだ諦めきれねぇんだよ」
俺が小さく呟くようにそう言うと、婆ちゃんは困ったように溜め息をついた。
「……じゃがな、スマンが本当にどうしようもないんじゃよ。アタシじゃ彼女は助けられん」
「……じゃあ俺も死ぬ」
不意に、俺は自分でも訳のわからない言葉を口走っていた。
……でも、死んだらまだ雨音と一緒にいられるのかな?
それなら、死ぬのも悪くないか……。
「……このろくでなしの馬鹿孫がぁ!!!!」
鼓膜が破れるかと思う程の婆ちゃんの怒鳴り声で、俺は我に帰った。
「死ぬじゃと?死ぬ苦しみがお前にわかるんか!それに残される方だって苦しむんじゃ!お前が今雨音ちゃんがいなくなる事で苦しんでいるように、誰かが苦しむんじゃ!何にもわかってない若僧が軽々しく死ぬなどと口にするでないわ!!」
散々怒鳴り散らされた俺は、自分の発言の愚かさを恥じた。
俺なんかでも、死んだら悲しんでくれる人がいるんだよな……。
確かに俺が馬鹿だった………。
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