愛しい人

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「くっ………眩しいっ………!!!」 目を開けた瞬間目の前に神愛樹が現れて、俺は慌ててブレーキを握って何とかぶつかる寸前で停止させる事ができた。 「ったく!相変わらず危なっかしいな!!」 「怒る暇があったら雨音ちゃんに神愛樹を見せてあげんしゃい」 婆ちゃんにそう言われて、俺は急いで雨音を結んでいた紐をほどいて抱き上げ、神愛樹の根元に寝かせた。 「着いたぞ雨音。神愛樹だ」 俺がそう言うと、雨音は虚ろな目をゆっくりと開けた。 俺は雨音の横に座り、雨音の手を優しく握った。 その瞬間、七色に光る光の玉のような神愛樹の神様達が俺の目の前に現れ、まるでクリスマスツリーの飾りのようにキラキラと輝き、神愛樹の周りを飛び回っていた。 神愛樹の神様達を見るのは、最初に雨音にあった時以来だな………。 「………綺麗」 「あぁ、そうだな……」 そう言葉を交わした後、俺達はしばらくの間神愛樹の神様達を眺めていた。 「………心ちゃん」 不意に、雨音が俺の名を呼んだ。 ……だが待てよ。 心ちゃん? それは雨音が俺の事を覚えてる時の呼び方で………!? 思い出したのか……?
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