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ずっと見えていた神愛樹の神様達の光が、心なしか弱くなっているように思えた。
雨音に目線を戻すと、雨音は目を閉じて息を荒げていた。
「大丈夫か雨音!?」
「……ゴメンね心ちゃん………もうあんまり長くないみたい……」
雨音は苦しそうに息をしながらそう言った。
………ずっと伝えたい事があった。
俺が雨音を好きだって事………。
でも、伝えて何になるんだ?
苦しくなるだけじゃねぇかよ………。
「……心ちゃん」
「どうした雨音!?」
小声で俺を呼んだ雨音に、俺はすぐに反応した。
「……ちょっと顔を近づけてもらっていい?」
「あぁ!これでいいか?」
俺は顔を近づけてそう尋ねた。
「……もっと」
「……これくらいか?」
「……もっと」
「……こんくらいか?」
………次の瞬間、俺の口にとても柔らかいものが触れた。
それは、淡いピンク色をした雨音の唇。
………キスされたのか?
突然すぎて、頭が回らない………。
「……えへへっ♪ファーストキス………心ちゃんに上げちゃったぁ………」
そう言って、雨音は悪戯っぽく微笑んだ。
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