愛しい人

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「……俺なんかでよかったのかよ?」 「………心ちゃんがよかったの………だって私……心ちゃん………の……事が………───────」 ………俺の事が何だよ? 最後まで聞かせてくれよ。 ……途中で寝てんじゃねぇよ。 ……また笑ってくれよ。 ───神愛樹の神様の光は、まるで雨音の命に合わせるように徐々に小さくなって消え、辺りは真っ暗になった。 何も見えなくなった俺の手には、少しだけ冷たくなった雨音の脱け殻がある………。 「うあぁぁぁぁ……ぁあぁぁ!あああぁアァァァァァァァァァァァァァ!!!」 9月1日 午前0時。 雨音は…………俺の手の中で………死んだ…………。
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