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「何だよお前!?」
周囲の目も気にせず、俺はそう叫んだ。
「おやおや、アタシの顔を忘れてしまったのかぇ?」
「えっ!?」
小さい奴にそう言われた俺は、警戒しながらもそいつをマジマジと見てみた。
言われて見れば、確かに見覚えが………
「あっ!!」
「ヒャッヒャッヒャッ!やっとわかったようじゃの心一!」
小せぇ奴はそう言って変な声で笑った。
この小せぇ奴間違いねぇ。
………3年前に死んだ俺の婆ちゃんだ!!
「おっ、おい!アンタ婆ちゃんだろ!?何なんだよ一体!?ひょっとして幽霊か!?それにどうやって東京までワープさせたんだよ!?それに…」
「まぁまぁ慌てるでない心一。祥とやらの家に行くのじゃろ?家に向かいながらゆっくりと説明してやるわぃ。ヒャッヒャッヒャッ!」
婆ちゃんはそう言ってまた変な声で笑った。
正直、かなり不気味だ。
結局俺は、この小せぇ婆ちゃんに言われるがままに祥の家に向けてママチャリを漕ぎ始めた。
ちなみに婆ちゃんは、右ハンドルの所のベルの上に正座をして、お茶をすすっている。
「なぁ婆ちゃん、いい加減説明してくれよ」
俺は婆ちゃんにそう言った。
正体が婆ちゃんであったという事もあって、もう婆ちゃんに対する恐怖心はほとんどない。
「おぉ、スマンスマン。夜風を浴びながらすする茶がうまくてのぅ。それじゃあ、ボチボチ話してやるかのぅ」
婆ちゃんはそう言って、説明を始めた。
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