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俺がそう思った次の瞬間、何もない真っ白な空間に突如ポツンと赤い光が現れた。
その光は徐々に大きくなったかと思うと、段々と何かの形が浮かび上がってきた。
そして光が止むと、そこには赤ん坊の姿があった。
赤ん坊っつっても可愛らしいもんじゃなくて、産まれた直後のあの少しグロテスクな赤ん坊だ。
「……久しぶりだなキヨよ」
「うわっ!しゃべった!」
急に口を開いた赤ん坊に、俺は思わず驚きの声を上げてしまった。
いやっ、産まれたばかりの姿の赤ん坊が喋れば誰でも驚くだろ?
それにキヨって誰だ?……あっ、婆ちゃんの名前だっけ。
「……お久しぶりです白神様(シロガミサマ)」
そう言って婆ちゃんは、赤ん坊にペコリと頭を下げた。
シロガミサマ?やけに立派な名前の赤ん坊だな。
……つーか、何者なんだ?
「なぁ婆ちゃん、この赤ん坊誰だよ?」
「ばっ、馬鹿者!このお方は天国で2人しかいない“生”と“死”を司る最高位の神・白神様じゃ!」
婆ちゃんは焦った口調で俺にそう怒鳴ってきた。
………つまり、一番凄い神様な訳が。
もっとこう、白い髭を生やした杖持ったジジイを想像してたんだけどな。
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