白黒

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「……キヨよ、何だこの小僧は?何故生者がここにいる?」 ……えっ?俺、赤ん坊に“小僧”呼ばわりされた? 「申し訳ありません白神様……」 婆ちゃんはやけに低姿勢で白神とやらと話している。 ……いくら凄い神様だからって、婆ちゃんが赤ん坊なんかに低姿勢になる必要はねーだろ。 「おい白神とかいうガキ!偉いからって年上相手に生意気だぞ!俺に“小僧”っつったの取り消せ!」 「……我は700年前に産まれずして死んだ赤子の神だ。……で、何か言ったか“小僧”?」 ………なんてこった。メチャクチャ先輩じゃねぇかよ……。 「すっ、すいませんでした……」 白神……じゃなくて白神様に、俺は大人しく謝った。 「……して、何故天国に連れてきたのだキヨよ?」 「はい……。実はこの馬鹿孫が未練を残したまま亡くなってしまった娘に、伝えられなかった事を伝えさせてやりたいと思いまして……」 婆ちゃんのその言葉に、白神様は険しい顔をした。 「……駄目だ。帰れ」 「なっ!なんでだよガキ……じゃなくて白神様!お願いします!雨音にちゃんと気持ちを伝えたいんだよ!」 「黙れ小僧。全ては生前に伝えられなかった貴様の責任だ」 白神様にズバリそう言われた俺は、返す言葉が見つからなかった。
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