18309人が本棚に入れています
本棚に追加
「……キヨよ、何だこの小僧は?何故生者がここにいる?」
……えっ?俺、赤ん坊に“小僧”呼ばわりされた?
「申し訳ありません白神様……」
婆ちゃんはやけに低姿勢で白神とやらと話している。
……いくら凄い神様だからって、婆ちゃんが赤ん坊なんかに低姿勢になる必要はねーだろ。
「おい白神とかいうガキ!偉いからって年上相手に生意気だぞ!俺に“小僧”っつったの取り消せ!」
「……我は700年前に産まれずして死んだ赤子の神だ。……で、何か言ったか“小僧”?」
………なんてこった。メチャクチャ先輩じゃねぇかよ……。
「すっ、すいませんでした……」
白神……じゃなくて白神様に、俺は大人しく謝った。
「……して、何故天国に連れてきたのだキヨよ?」
「はい……。実はこの馬鹿孫が未練を残したまま亡くなってしまった娘に、伝えられなかった事を伝えさせてやりたいと思いまして……」
婆ちゃんのその言葉に、白神様は険しい顔をした。
「……駄目だ。帰れ」
「なっ!なんでだよガキ……じゃなくて白神様!お願いします!雨音にちゃんと気持ちを伝えたいんだよ!」
「黙れ小僧。全ては生前に伝えられなかった貴様の責任だ」
白神様にズバリそう言われた俺は、返す言葉が見つからなかった。
最初のコメントを投稿しよう!