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「さて、この姿で話すのもなんだし…」
そう言ってナナは後ろ足2本で立ち上がり、クルリと一回りした。
すると、驚く事にナナは黒くて長いワンピースを着た、長い黒髪の中学生くらいの少女に姿を変えた。
「ほらっ、こっちの方が話しやすいでしょ心一?」
「えっ?あっ、まぁ……うん……」
「何オドオドしてんのよ~。アハハ!」
そう言って少女の姿のナナは、無邪気な笑みを見せた。
……同じ最高位の神様でも、全然違うんだな。
俺はそう思って、チラリと白神様を見た。
「そっ、それでナナ…じゃなくて黒神様!俺を雨音に会わせてくれんのか!?」
「ナナでいいよ心一。いい加減折れてやりなよ白。別に減るもんじゃないじゃん」
「貴様は最高位の神としての自覚が足りんのだ黒。それにどういう事だ?最近姿を見せぬと思っていたら、あの小僧の家に犬として転がり込んでたそうではないか」
白神様はそう言ってナナを睨みつけた。
姿は赤ん坊なのに、妙に迫力がある。
「いやぁ~、神様に助けられて寿命が延びた前例のない子がいるって聞いたもんだから観察しに行ったのよ。ちょっと手違いで心一ん家にお世話になる事になっちゃったけど、結構楽しかったよ!ねぇ心一?」
「えっ?まぁ……それなりにな……」
俺が頬をポリポリと掻きながらそう答えると、ナナは嬉しそうにニコリと笑った。
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