夢駆けるババチャリ

白黒

「やはり貴様には神としての自覚が足りぬ。あの小僧は貴様のお気に入りみたいだが、そんな理由で会わせる訳にはいかぬ」

「なによケチ～。………じゃあさ、こんなのどう？」

そう言うとナナは、白神様に何かを耳打ちした。

……一体何を話してんだ？

「……正気か黒よ？そのような事をしても無謀なだけではないか」

「無謀だと思うならやってあげなよ。駄目なら心一も諦めてくれるかもよ？」

ナナのその言葉で、白神様は何やら悩み始めた。

そして、

「……よかろう」

そう言って、俺の方を見た。

……一体何がいいんだ？

「小僧、貴様がそこまでその娘に会いたいと言うのなら、試してやらん事もない」

「……へっ？」

「わかりやすく言うと、ゲームみたいなもんで決めようって事」

「あぁ、なるほどな」

ナナの説明で、俺は白神様の言葉の意味を理解した。

「貴様が我の出す課題をクリア出来たら娘に会わせてやる。だが、クリア出来なかった場合は大人しく地上に帰れ。わかったな？」

「わっ、わかったよ」

迫力のある目付きの白神様の威圧に負けて、俺は大人しくそう返事をした。

………まぁ心配ねぇさ。雨音に会えるなら、どんな課題でもクリアしてみせるさ。