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「……で、その課題ってのは?」
「焦るな小僧。まずはこれを見ろ」
白神様がそう言った途端、白神様の後ろに果てしなく広がる白い床から、数えきれない程の数の光の玉が浮かび上がってきた。
光の玉は七色の光を発しながら、それぞれが自由に空中を浮遊している。
………この光、神愛樹の神様に似てるな……。
「この光は俗に言う“人魂”と呼ばれるものだ。ここにある人魂は、全て昨日亡くなった者達の魂だ」
……昨日だけでこんなに人が死んでるのか?
数えきれないなんてレベルじゃねぇ。果てしない程の数の人魂がいる……。
「貴様への課題は実に単純。この人魂の中からその娘の人魂を探し当ててみろ。無論チャンスは1回。はずれた場合は大人しく帰れ」
「ちっ、ちょっと待てよ!いくらなんでもこんなの…」
「生意気な口を叩くな小僧。チャンスを与えるだけでも有り難く思え」
冷たくそう言うと、白神様は俺に道を開けた。
チラリと目線を婆ちゃんに向けると、婆ちゃんは静かに頷いた。
おそらく、やるしかないという意味が込められているんだろう。
俺は次にナナに視線を移した。
少女の姿のナナは、まるで何の心配もないよというようにニコリと微笑んでいた。
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