白黒

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俺はその人魂を両手ですくうように易しく手に取った。 とは言っても触れる事はできず、俺の手のひらの上をフワフワと浮いているだけなのだが。 「………雨音か?」 人魂にそう尋ねると、僅かだが光が一瞬強くなったように思えた。 ………わかる。 ……雨音だ。この人魂は………。 「………白神様!コレだ!この人魂が雨音だ!!」 俺は目を開けて後ろを振り返り、遠くの白神様に向かってそう叫んだ。 すると白神様は、不満そうな顔を俺に見せながら口を開いた。 「………正解だ」 白神様がそう言った瞬間、俺の手のひらの上の人魂は七色の光をより強く放ち、徐々に大きくなり人の形を型どり始めた。 そして、 「………ふぇ?」 光が止むと、そこには訳がわからないといった顔をした女の子が立っていた。 その女の子は誰よりも愛しく、 誰よりも美しく、 誰よりも俺が会いたかった人………。 「……あ……まね………?」 今目の前にいるその人の名を呼ぶと同時に、俺の目から止めどなく涙が溢れてきた。
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