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「……なぁナナ、1つ聞いていいか?」
頭がグジャグジャのまま、俺はナナにそう問いかけた。
「何?」
「……お前と白神様は“生”と“死”を司る最高位の神なんだろ?なら雨音を生き返らせる事もできるのか?」
俺の質問に、ナナは少し顔を伏せた。
「図に乗るでないぞ小僧。その質問に答えた所で…」
「……できるよ」
白神様が少し怒りを含めた口調で話し出した言葉の途中で、ナナが一言ハッキリとそう答えた。
「……なら、生き返らせてくれよ!」
「……それは無理」
「何でだよ!?生き返らせる事ができるなら…」
「いい加減にしろ小僧!!」
突如発せられた白神様の怒鳴り声に驚き、俺は思わず言葉を止めた。
「……周りを見てみろ小僧。ここにある人魂の大半は生き返る事を望んでおる。そやつらを全て生き返らせていたら、世界は成り立たなくなる。“生”があるから“死”があり、“死”があるから“生”があるのだ」
……確かに、白神様の話はもっともだ。
「それに何より、その娘のみ生き返らせたら不公平極まりないであろう?」
「……だけど、雨音はまだたったの17年しか生きてねぇんだぞ!」
俺の言葉に、白神様はこめかみをピクリと動かした。
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