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「たったの17年だと?我など産まれずして死んだのだぞ!我のみではない!ここにある人魂だけでも幼くしてなくなった者は数えきれぬ程おる!その娘だけが特別だなどと思うな小僧!」
白神様の言葉に、俺はさすがに返す言葉が見つからなかった。
……ここには様々な魂があるんだな。
寿命を全うして亡くなった人。
病で命を亡くした人。
不慮の事故で亡くなった人。
それに、白神様の言ったように産まれずして亡くなった人。
中には、未だに続く戦争で亡くなった人や、人に殺された人、自ら命を絶った人までいるだろう。
……そして、雨音もその中の1人。
命の重みはどれも同じ。
特別なのは雨音だけじゃない。
そして、こんなに苦しい思いをしてるのも俺だけじゃない。
………だから、諦めなきゃいけないんだ……。
「……もういいんだよ心ちゃん。私は充分生きたから」
「……ゴメンな。俺、やっぱり何も出来ない……ゴメン……ゴメンな………ゴメ……ン……………」
俺は呟くように、ひたすら謝り続けた。
頭の中はただ自分の無力と無念が飛び交っているだけで、そうする事しか出来なかった。
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