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「………白神様……ナナちゃん……私、心ちゃんの神様になっていいですか?」
突然、雨音が白神様とナナにそう尋ねた。
そう言えば雨音は、死んだら俺の神様になるって言ってたな……。
「誰の神になるかは自由だ。自分で決めたのならばそれでよい」
「でも、心一にはこれからずっと雨音の姿は見えないよ?いいの?」
ナナの質問に、雨音は力強く頷いた。
……そっか。どんなに近くにいてくれても、俺には雨音の姿は見えないんだよな………。
「……大丈夫。私にはずっと神様が見えてたから、神様になってもちゃんと繋がりあえるって知ってるから、だから大丈夫♪」
そう言って雨音は、優しく微笑んだ。
……『神様になっても繋がりあえる』か。
雨音と出会ってからの2ヶ月間、俺も少しだけど神様と人との繋がりを見てきた。
湖に捨てられてた人形に取り憑いてた幼い神様・唯菜は、間違いなく両親と繋がっていた。
飛鳥村の自転車レースに出てた小学生の男の子に取り憑いてた男の子の兄の神様は、優しく弟を見守っていた。
そして、俺と婆ちゃんだって、ちゃんと繋がってた………。
「………心ちゃん。私、心ちゃんの神様になっていいかな?」
「………あぁ、いいよ……俺も雨音と、ずっと繋がっていたいから………」
俺の返答に、雨音は俺の大好きな笑顔で答えてくれた。
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