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「つーかさぁ、なんでわざわざこんなママチャリに宿ったんだ?」
「こんなとは何じゃ!このママチャリは、アタシの人生の半分もの間乗り続けてきた大切なママチャリなんじゃぞ!!」
婆ちゃんはそう言って、カンカンに怒った。
「わりぃわりぃ。つーか婆ちゃんが宿ってるんじゃあ、『ママチャリ』じゃなくて『ババチャリ』だな!」
「フン!しばらく見ない間に口が悪くなったのぅ心一」
婆ちゃんはそう言って、不機嫌そうにお茶をすすった。
「ところでさぁ、さっきどうやって東京までワープしたんだ?」
「アレはお前が強く願ったからじゃ。願いを叶えるのが神様じゃろうが」
婆ちゃんは平然とした顔でそう言ってのけた。
《ちょっと待てよ………今なんて言った?》
願いを叶えた?
て事は、婆ちゃんに頼めばまだ願いを叶えてくれんのか!?
そう考えた瞬間、俺はドラ〇もんを手に入れたような気持ちになった。
「なぁ婆ちゃん!て事は俺が願えば婆ちゃんは叶えられるのか!?」
「まぁ、心一が必死に自転車を漕いでエネルギーをアタシに送り、強く願いを願えばの話じゃがな。言っとくがこんな事が出来るのは、神様の中でも数えるくらいしかおらんのじゃぞ!」
婆ちゃんは自慢気にそう語った。
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