白黒

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門を抜けた瞬間、ババチャリから再び真っ白な翼が生え、俺はゆっくりとペダルを漕いで翼を羽ばたかせながら、ゆっくりと地上に向かって降りていった。 辺りは真っ暗で何も見えないが、天国に行く以前に降っていた雨は完全に止んでいた。 地上に向かって降りていく間、俺は決して後ろを振り向かなかった。 バランスを上手く取るのに一杯一杯だったのも事実だが、振り返ったところで雨音はもう見えないんだから意味ないしな……。 ゆっくりと近づいてきた地上に見えた1本の街灯に向かって、俺はハンドルを切ってゆっくりと降りていった。 先ずは前輪が地面に付き、その後に後輪が地面に付いて俺は無事地上に降り立った。 「……ふぅ」 軽く溜め息を付きながら、俺はババチャリのブレーキを握って止まろうとした。 だが、 ズボッ 「うわぁ!!」 ババチャリの前輪が目の前にあった深い水溜まりに落ち、俺は前方へと勢いよく投げ出された。
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