ババチャリ

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「そんじゃあ早速叶えてくれよ!金沢山出してくれ!!」 「ばかもーん!!!」 俺が願いを言うなり、婆ちゃんに思いっきり怒鳴られた。 「そんな願いをアタシが聞くとでも思うのかぇ?調子に乗るんじゃないよ心一!!」 「わっ、悪かったよ………チッ」 俺はそう舌打ちをして、祥の家に向かってこのババチャリを漕ぎ続けた。 それから5分程で、祥の家に到着した。 「そんじゃあ婆ちゃん、ちょっと祥に顔見せてくるから」 「いんや、今日は泊まらせてもらいなさい。そんで明日、ちゃんと田舎に戻るんじゃぞ」 「…わかったよ」 そう言って俺はババチャリから降りて、祥の家に歩み寄った。 ちなみに祥は高校生のクセに、この目の前のアパートで1人暮らしをしている。 ピンポーン 「んだよこんな夜遅くに!新聞ならお断りだぞ………」 祥はそう言ってドアを開けた瞬間、俺を見て喋るのを止めた。 「オッス!」 「心一………!!」 バキッ! 次の瞬間、俺は祥に右頬をぶん殴られた。 「ってぇな祥!テメェ何しやがんだ!!」 「うるせぇ心一!!俺に一言もなしに引っ越したクセに、そんな事言えんのかよ!!」 祥にそう言われ、俺は申し訳なく思い顔を伏せてしまった。 「………とりあえず中に入れよ」 「……あぁ」 そう言って俺は、祥の家に入った。
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