ババチャリ

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「何だよ学校って?こんな田舎に高校なんてある訳ないだろ?」 「あるわよ!昨日の晩ゴハンの時に『明日から通いなさい』ってちゃんと言ったでしょ!」 晩飯の時? 言われて見ればそんな話をされたような………。 あの時は新鮮な刺身についつい夢中になっちまってたからなぁ………。 「ちょっと心一!じゃあアンタ今まで何処に行ってたのよ!?」 「えっ?あっ…散歩だよ散歩」 「まぁなんでもいいわ。それより今からでも学校に行きなさい!コレが地図よ!ほら早く制服に着替えて!」 俺はお袋にそう急かされながら家の中に入った。 なんかお袋にこういう事されるの、スゲー久しぶりだな………。 俺はそんな事を考えながら、東京の時の制服に袖を通した。 「学校に着いたら、まずは遅れた事を謝るのよ」 「わかってるようるせぇな!」 「心一、しっかりな!」 「……おぅ」 俺は親父にそう返事をして、ババチャリに股がり家を出発した。 てか親と喧嘩以外で話すの、なんか久しぶりだな………。 《てか俺、高校に通えるんだな。なら卒業までこのド田舎で我慢すれば、東京に就職して東京で暮らす事も可能だよな!?》 そう思った瞬間、俺の中に微かな希望が生まれた。
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