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地図を見ながらババチャリで走る事30分。
未だに学校は見えて来ない……。
「つーか目印も何もないのに、わかる訳ねーだろ!」
そう言って俺はババチャリのカゴの中に地図を叩きつけた。
「なぁ婆ちゃん、学校までワープしてくれよ」
「アタシャさっき田舎に帰るのにパワーを使ったから疲れたんじゃよ。学校ぐらい自分で探しんしゃい」
そう言って婆ちゃんは、右ハンドルのベルの上に布団を敷いて、そこで昼寝を始めた。
「チッ、ケチババアめ!」
《てか布団とかお茶とか何処から出してんだよ………》
俺はそんな事を思いながらもう一度地図を開いた。
地図は全体緑ばっかで訳がわかんねぇ。
「とりあえず道は間違ってねぇはずだろ?んでここに学校って書いてあるけど、この先は廃墟しかないし………」
まさか………。
いやっ、さすがにないだろ………。
だが他に学校の可能性のある建物はない。
「……とりあえず行ってみるか」
俺はそう呟いて、その廃墟らしき所に向けてババチャリを走らせた。
「マジかよ………」
廃墟の前で俺はそう呟いた。
廃墟にしか見えない馬鹿デカイ木造の建物の入口には、腐った木の板にハッキリと『飛鳥村高等学校』と書いてある。
「いやいやいや、これはさすがに使われてないだろ………」
そう言って俺は木造の建物を見上げた。
今にも何か霊的なものが出てきそうな雰囲気に、俺は思わずブルッと身震いしてしまった。
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