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……何が起こったんだ?
……もしかして俺、浮いてんの!?
「俺浮いてるー!!」
俺は思わずそう叫んだ。
すると、
「人が空中に浮く訳ねーじゃろが!じっとしとれ!」
上から突然そう言われ、俺は咄嗟に上を見た。
上には麦わら帽子を被り、釣竿を俺に向けて垂らしている同い年ぐらいの男がいた。
どうやら俺は、コイツの釣竿に引っ掛けられて空中に浮いてるらしい。
俺は言われるがままおとなしくして、少しずつ麦わら帽子の奴に釣り上げられた。
「女子の着替え覗いて逃げる途中に穴に落っこちるたぁ、マヌケな奴じゃの~」
「俺は覗いたんじゃねー!!教室を探してたんだよ!!」
俺はこのジジクサイ喋り方の奴に向かって大声でそう言った。
「へぇ~。って事はアンタが転校生?」
突如後ろからそう言われて俺が床に座ったまま振り返ると、そこには先程着替えていた女子のうちの1人がジャージ姿で立っていた。
眼鏡をかけていて、髪は長いポニーテール。身長は女にしては高く、なんか気の強そうな顔をしている。
「転校早々遅刻とはいい根性してんわねアンタ」
「うるせぇな!先公みたいな事言ってんじゃねーよ!」
「私がその『先公』って奴よ。この学校唯一のね」
「………マジで?」
次の瞬間、俺の額から大量の冷や汗が流れた。
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