オンボロ学校の仲間達

6/14

18310人が本棚に入れています
本棚に追加
/246ページ
……何が起こったんだ? ……もしかして俺、浮いてんの!? 「俺浮いてるー!!」 俺は思わずそう叫んだ。 すると、 「人が空中に浮く訳ねーじゃろが!じっとしとれ!」 上から突然そう言われ、俺は咄嗟に上を見た。 上には麦わら帽子を被り、釣竿を俺に向けて垂らしている同い年ぐらいの男がいた。 どうやら俺は、コイツの釣竿に引っ掛けられて空中に浮いてるらしい。 俺は言われるがままおとなしくして、少しずつ麦わら帽子の奴に釣り上げられた。 「女子の着替え覗いて逃げる途中に穴に落っこちるたぁ、マヌケな奴じゃの~」 「俺は覗いたんじゃねー!!教室を探してたんだよ!!」 俺はこのジジクサイ喋り方の奴に向かって大声でそう言った。 「へぇ~。って事はアンタが転校生?」 突如後ろからそう言われて俺が床に座ったまま振り返ると、そこには先程着替えていた女子のうちの1人がジャージ姿で立っていた。 眼鏡をかけていて、髪は長いポニーテール。身長は女にしては高く、なんか気の強そうな顔をしている。 「転校早々遅刻とはいい根性してんわねアンタ」 「うるせぇな!先公みたいな事言ってんじゃねーよ!」 「私がその『先公』って奴よ。この学校唯一のね」 「………マジで?」 次の瞬間、俺の額から大量の冷や汗が流れた。
/246ページ

最初のコメントを投稿しよう!

18310人が本棚に入れています
本棚に追加