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「いやぁ…その……すんません」
「遅刻した上に覗きまでして、そんなんで許されると思ってんの?」
俺がとりあえず謝ると、この眼鏡の先公は眉間にシワを寄せながらそう言ってきた。
コイツ、絶対Sだな。
「とりあえず雨音にも謝んな!」
「アマネ?」
何かどっかで聞いたような………。
俺がそう考え込んでいると、着替えてた教室からもう1人の女が出てきた。
女のクセに色気のねぇボサボサ頭のショートカット。
…………あっ!
「………海野?」
「あっ、心ちゃん!?」
もう1人の女は、神愛樹で神様を見せてくれた変わった女・海野雨音だった。
「なぁに雨音?知ってんの?」
「うん!昨日の夕方散歩してたら出会ったの!」
海野はそう言って先公に説明している。
つーか同じ学校かよ。俺コイツ苦手なのに………。
「ほら転校生!」
「んぁ?」
「『んぁ?』じゃないわよ!雨音に覗いた事謝んなって言ってんのよ!」
先公がそう言うと、海野はよく意味がわからないといったような顔をした。
コイツには羞恥心がないのか?
「何してんのよ!謝れっつってんの!」
ゴツンッ!
そんな海野を見ていたら、突如先公に頭を殴られた。
「いてぇな!体罰だぞ!」
「ならアンタは覗き魔よ!ほら!謝んな!」
そう言って先公は俺の頭を掴んで無理矢理下げさせた。
《くっそ~、このドS教師め!》
俺はそう思い先公の手を振り払おうとしたが、形はどうあれ俺は覗いてしまったのだから一応謝ろうと振り払うのを止めた。
「海野………え~っと……スマン」
「え~っと、何の話?」
やっぱ俺、コイツ苦手だ。
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