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「アンタ体操着なんて持ってきてないわよね?」
「あっ、別にこのままでも大丈夫なんで」
俺は先公にそう言った。借りるのもめんどくさいし。
つーか、この人数で体育って何すんだ?
バスケもサッカーもドッジも無理だろ………。
俺がそんな事を考えていると、先公が黒板の前に立って口を開いた。
「そんじゃあ今日は何する~?」
先公はめんどくさそうに俺達にそう尋ねてきた。
教師がそんなやる気0でいいのかよ………。
俺がそう思っていると、山岡がいきなり椅子をガタンと鳴らして勢いよく立ち上がった。
「なっちゃん!釣りじゃ釣り!今日は釣り日和じゃし釣りしようや!!」
「官九郎、アンタいっつもそればっかじゃん」
「でも今日は転校生がおるから、是非とも釣りの素晴らしさを教えたいんじゃ!なぁ?やりたいじゃろ心一?なぁなぁ?」
山岡はしつこく俺にそう詰め寄ってきた。
てか釣りは体育なのか?
つーか、いきなり呼び捨てだし………。
「なぁなぁ?釣りやりたいじゃろ?」
「あーもう、わかったわかった。釣りやりたいよ」
あまりにもしつこいので、俺はそう答えた。
「ん~、じゃあ釣りでいいわよ。雨音も釣りでいい?」
「いいよ~♪」
先公の問いに、海野は元気よく答えた。
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