オンボロ学校の仲間達

13/14

18310人が本棚に入れています
本棚に追加
/246ページ
……と言う訳でそれから20分後、俺の目の前には大きな湖が広がっていた。 「さぁ!釣りじゃ釣りじゃ!」 山岡はそう言ってルアーを選び始めた。 海野と先公も自分の釣竿をいじっている。 俺は学校にあった釣竿を借りたのだが、釣りなんて産まれて一度もやった事のねー俺は、どうしたらいいのか全くわからなかった。 「何じゃ心一、釣竿の準備ができんのか?」 「んっ?あぁ。やった事ねーからな」 「何じゃと!?釣りした事ないなんて、人生の半分は損しとるぞ!」 そう言って山岡は、かなりショックを受けたような顔をした。 「別に俺は見学でいいから、俺の事は気にせずに…」 「俺が釣竿準備しちゃるからの!」 俺は丁寧に釣りを断ろうとしたのに、山岡は俺の言葉を遮ってそう言ってきた。 別に釣りなんてやりたくねーのに……。 そして程なくして、4人揃って釣りを始めた。 やり方はイマイチわからなかったので、隣の山岡のやり方をチラチラ見て真似ていた。 1時間後、 山岡のボックスにはデカイブラックバスが5匹、先公のボックスには普通サイズのが2匹、海野のボックスには小さいのが1匹入っていた。 そして俺のボックスには……… 「心ちゃんまだ0匹だぁ~♪」 「うるせぇ!これから本気出すんだよ!!」 未だに0匹の俺は、海野を情けなくそう怒鳴った。
/246ページ

最初のコメントを投稿しよう!

18310人が本棚に入れています
本棚に追加